対象者が特定のバリアフリー改修を行なうと「バリアフリーリフォーム減税」が受けられます。
所得税の控除と併用して利用することができるため、あわせて数十万円単位の工事費用が浮かせることも可能です。
対象となる条件やどのように減税されるのかをチェックしましょう。
バリアフリーリフォーム減税制度
入浴やその介助の為に浴室をリフォームする、車いすを利用しやすい浴室にするなどバリアフリーリフォームした場合に減税となります。
所定の工事を行なった年度の確定申告で必要な手続きをすることで、その年に収めた所得税から一定額が減税(控除)され「還付金」を受け取ることができます。
「住宅ローンまたは自己資金」でリフォームした場合に適用され、控除期間は1年間です。
所得税の控除と固定資産税の減額は併用可能です。
(一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会:II. バリアフリーリフォームの減税制度)
バリアフリーリフォームで減額される固定資産税
概要
制度名 | 固定資産税の減額処置【家屋の固定資産税】 |
適用する 改修工事期間 | 平成19年4月1日~令和6年3月31日 |
減税期間 | 翌年度(1年度分) |
減額の概要 | バリアフリー改修工事を行った際に、当該家屋に係る翌年分の固定資産税額(100㎡相当分までに限る)を1/3軽減する |
床面積が125㎡の家屋ですが上限100㎡なため、対象となる床面積の割合は80%となります。
課税標準額から計算し、固定資産税は33,600円になります。
その33,600円の1/3にあたる「11,200円」が翌年度の固定資産税より減額される仕組みです。
要件
居住者の適用要件 | ①65以上の方(*工事が完了した年の翌年の1月1日現在の年齢) ②要介護認定または要支援認定を受けている方 ③障害のある方 |
住宅の適用要件 | ・新築された日から10年以上経過した住宅 ・賃貸住宅でない家屋 ・店舗併用住宅の場合、床面積の1/2以上が居住用であること ・改修工事後の家屋の床面積が50㎡以上280㎡以下であること |
改修工事内容の 要件 | ・廊下等を広げる工事 ・階段の勾配等を緩和する工事 ・お風呂の改装工事 ・トイレの改装工事 ・手すりを取り付ける工事 ・段差を解消する工事 ・出入り口の扉の変更工事(開き戸→引き戸など) ・滑りにくい床材への取替え工事 |
工事費の要件 | バリアフリーリフォーム費用が50万円超であること(※補助金を除く) |
工事完了期間 | 令和6年3月31日までに工事を完了するものであること |
手続きに必要な書類
手続きの申告期間 | バリアフリー改修工事完了後3ケ月以内に申告 |
申告に必要な書類 (リフォームする会社が用意するもの) | ・改修工事に係る内容や費用を確認できる明細書 ・改修工事箇所の写真 ・改修に要した費用の確認ができる書類(領収書等) |
申告に必要な書類 (自分で用意するもの) | ・適用対象者の証明書(対象者(同居親族を含む)が要介護認定又は要支援認定を受けている者の場合は、介護保険の被保険者証の写し ) ・補助金等、居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の額を明らかにする書類 ・固定資産税減額申告書(申告する市区町村にて取得) ・納税義務者の住民票の写し ※なお、申告する市区町村によって書類の名称や種類が異なる場合があるので要確認 |
手続き方法
申請の窓口 | 改修工事後3か月以内に当該家屋が所在する市区町村の税務課窓口で書類を提出する |
提出書類 | ・固定資産税減額申告書 ・適用対象者の証明書(対象者(同居親族を含む)が要介護認定又は要支援認定を受けている者の場合は、介護保険の被保険者証の写し) ・補助金等、居宅介護住宅改修費等の額が明らかな書類 ・バリアフリー改修工事明細書、写真、領収書等 |
※マイナンバー制度導入により、平成 28 年分以降の申告書等の提出の際には、マイナンバー記載+本人確認書類の提示または写しの添付が必要となります。
詳細については市区町村にご確認ください。
改修工事後3か月以内に申告する必要がありますので、期限を過ぎないように注意しましょう。
バリアフリーリフォームと併用できるリフォームもある
固定資産税の減額には他にも種類がり、省エネリフォームはバリアフリーリフォームと組み合わせることもできます。
いずれも減税期間は1年間(工事完了年の翌年度分)で、工事完了後3か月以内に申告する必要があります。
省エネリフォームとバリアフリーリフォームの工事を同一年に行なった場合、控除額は、両方の合計額まで控除できるようになっています。
所得税は、課税される所得金額に応じて税率が決められています。
しかし扶養親族に応じた控除などもあるため、所得税の納税額は人によって変動します。
ご自身の納税額については源泉徴収票などで確認しましょう。
所得税の住宅リフォームの減税制度も活用しよう
リフォームに関する各種減税制度はさまざまあります。
いずれも工事内容や金額など一定の要件をみたした工事後、確定申告をすることで所得税から控除されます。
投資型減税の「所得税の控除」
要 件 | 控除率 | 期 間 | 最大控除額 |
ローンの利用有無に 関わらず利用できる | 最大控除額を上限に 工事費用の10% | 1年間 | バリアフリー/60万円 |
耐震、省エネ、同居/62.5万円 | |||
省エネ+太陽光発電/67.5万円 | |||
長期優良 耐震/省エネ+耐久性向上/62.5万円 | |||
耐震+省エネ+耐久性向上/75万円 |
※控除率10%の控除対象限度額 200万円
リフォーム促進税制で控除されるのは原則1年のみです。
限度額も住宅ローン控除に比べると低めに設定されています。
住宅ローン減税の控除額の上限は年間14万円です。
リフォーム後に入居開始した年から10年間にわたって控除を受けられるので、控除額は最大140万円となります。
所得税と固定資産税の減税制度を利用する場合の工事や要件は、リフォームの種類によって異なります。
高齢者や障がい者が安全に暮らしていくためのバリアフリーリフォームには固定資産税の減額措置の他、所得税の控除が受けられるため活用していきましょう。
まとめ
バリアフリーリフォームで固定資産税が減税されるため、上手に活用することでリフォーム費用を抑えることができます。
申請の手続きとしては必要書類を用意して各市区町村の窓口に提出することになります。
不明な点があれば、各市区町村の窓口に確認しましょう。
またバリアフリーリフォームの費用や工事方法は依頼する業者によっても変動します。
複数社から相見積もりを行ない、適正な費用や内容を確認した上で工事を契約することをおすすめします。
業者を1社ずつ探すことは時間や労力を必要としますので、無料でできる一括見積を利用するといいでしょう。
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