国民生活センターに寄せられるお風呂リフォームや入浴に関するトラブル事例

お風呂リフォームに関するトラブル事例 浴室リフォームの注意点
国民生活センターに寄せられた入浴に関するトラブル事例

トラブル事例

浴室リフォームに関するトラブル事例です。

実際にどんな状況で、どのようなトラブルが起こったのかをまとめてあります。

当日中に契約しないと、50 万円高くなるといわれた
(相談受付年月:2013 年 1 月、契約当事者:60 歳代、女性、大阪府)
分譲マンションに居住しているが、浴室をユニットバスにしようとリフォーム工事を依頼することにした。
風呂のリフォーム工事のチラシを見て、50 万円程度と記載があったので、自分で店に出向き、見積りに来てもらった。
見積りはチラシより高い 150 万円を提示されたが、業者から当日中に契約しないとさらに 50 万円高くなって、200 万円になるといわれたため契約した。
ところが分譲マンションの管理組合の許可が下りず、結局工事ができない。自己都合の中途解約料は20%といわれた。
浴室と洗面所のリフォームをしたが、施工がずさんで請求額が見積りと違う
(相談受付年月:2012 年 11 月、契約当事者:60 歳代、女性、香川県)
ショールームに出かけ、キャンペーンのユニットバスがあったので、浴室と洗面所などのリフォームをすることにした。
身内の知り合いの業者に依頼し、見積もってもらった上でユニットバスや洗面化粧台などを決め契約した。
施工後、予定していた洗面化粧台は大きすぎて入らず別の製品を入れ、扉の取り付けも隙間ができて、向こう側の壁が見える、などの状態であった。
さらにユニットバスの付属品である鏡の代金が別途請求され、請求額が増えていた。
工事が設計書どおりに施工されておらず、業者を自宅に呼んだが来ようとしない。

訪問販売・店舗購入共通の問題点

見積書や契約書の不交付、あるいは不適切な書面が交付されている▶

例えば「請負代金の欄が空白」「施工日程の記載がない」「契約書の表記が詳細な内容がなく「工事一式」」「工事着工日は吉日」など、いつ、どのような工事がなされるのかが明らかにされていない、契約内容を特定する書面になっていない、また書面不交付のまま契約し、契 約した当日に施工が開始されているという問題がみられました。

店舗購入における問題点

①施工不良や設計書等の図面どおりに施工されていない▶

例えば「クロスの張替え前の下地処理がされていない」「張替えたフローリングに凹みがある」「洗面化粧台が大きくてスペースに合わない」「2 週間前に塗装した施工部位が剥れてきている」といった、施工内容の品質上の不良であったり、図面どおりの施工がされていないといった問題がみられました。

②知り合いや紹介を受けた業者では契約内容をあいまいにしがち 業者と知り合いあるいは近隣や親族からの紹介を受けた関係者であったり、以前依頼したことのある業者との契約というケースも多く、その場合、書面の交付や金額の確認などがおざなりにされがちである。こちらから依頼した手前、断りにくいという事例も多くあります。

トラブルを回避するためにできること

見積りを複数社に依頼し適正な工事金額を確認する

緊急性の高い工事でない場合には複数社から見積りを取り、適正な工事内容と金額を確認しましょう。

工事内容について、わからないことがあれば必ず業者に説明を求めましょう。

工事内容について業者と話したことは記録にとる

口頭でのやりとりは記憶が曖昧にだったり、「言った言わない」のトラブルになるリスクが高いです。

依頼する工事内容について必要性を検討する

依頼する工事に加えて、追加工事を進められる場合があります。必要な工事だと主張したり、セット価格と提示する業者もいます。

結果的に高額な契約になることもあるため、追加工事は本当に必要かなど契約前に検討しましょう。

訪問販売などの不意打ち性の高い勧誘はその場で契約しない

訪問販売に多いですが、「今すぐ契約するとこの金額」「今日までキャンペーン金額」と契約を急がせます。

冷静な判断ができない状況に置かれるため、すぐに契約しない慎重さが重要です。

トラブルを防ぐための制度を活用する

リフォーム見積りチェックサービス悪質な過剰請求や工事途中の追加請求などを消費者が事前に回避できるようにするため、事業者から提示された見積書について無料で相談ができる制度です。

見積書に不明な点がある場合、工事が追加される場合など、不要な項目がないか、工事の必要性等について相談したい場合は公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(0570-016-100)まで電話してみましょう。
リフォーム瑕疵保険制度リフォーム工事に欠陥が見つかった場合に、国土交通大臣が指定した保険法人から修理費用を賄うための保険金が支払われる制度です。

リフォーム事業者が任意で加入する保険なため業者を選ぶ際の参考にしましょう。
加入業者は一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページで確認できるため、契約前に加入しているかどうか確認が必要しましょう。

入浴に関する相談解決のためのテスト、他(国民生活センター)

お風呂のリフォームだけではなく、入浴に関する相談事例を乗せています。

(浴室ドア) [2014年1月:公表]
10か月前にリフォームした浴室ドアの中折れドアが外れて倒れてきた際に、首を痛めた。
(テスト結果の概要) 浴室ドアのヒンジの向きが誤った方向であった場合や非常ツマミを下げた場合などにドアが外れる可能性があることがわかったが、修理がなされて、事故時の苦情品のヒンジの向きが不明であることなどから、苦情品が外れた原因を特定することはできなかった。
(オゾン発生器)
17年前からオゾン発生器を浴室と寝室で使用していた。
4年前から急に視力が低下し、皮膚障害も発症した。オゾン発生器から発生しているオゾンの濃度が、身体に悪影響を及ぼす濃度か調べてほしい。
(テスト結果の概要) 苦情品を相談者が使用していた設定で、室内、または換気扇をつけずに浴室内で使用すると、ヒトに影響を及ぼすオゾンの濃度に達することもあると考えられた。
(高さ調節できる入浴用いす、急に「脚」が縮んで転倒) [2016年9月15日:公表]
浴室で使用する介護用いすを使用していたところ、片方の脚が突然低くなり、バランスを崩して転倒し、頭部に打撲傷等を負った。(60歳代 男性)
(テスト結果の概要) 浴室で、主に高齢者が体や髪の毛を洗うときなどに用いる「入浴用いす」には、脚の高さを調節できる機能が付いたものがあります。
このタイプで、脚の部分が縮むことなどにより、使用者がバランスを崩し、転倒する事故が報告されています。  
入浴用いすの高さ調節部分に鉄製のバネが使われていると、バネにさびが発生し、高さ調節部分が破損することがあります。
使用する際は、高さ調節部分に不具合がないかなどをよく点検しましょう。
脚を取り外して内部を懐中電灯で照らすと、バネのさびを確認できることがあります。
バネがさびている場合は使用を中止しましょう。
入浴用いすを購入する際は、高さ調節部分のバネがさびにくいステンレス製のものを選ぶとよいでしょう。
(ヒートポンプ給湯器)
ヒートポンプ給湯器を使用すると、浴槽内にスポンジのような異物が出てくるようになった。異物が何か調べてほしい。
(テスト結果の概要) 相談者の申し出情報、苦情品の構造、異物の色、形状、素材からみて、異物は、当該ヒートポンプ給湯器から浴槽に給湯される部分に使用されている樹脂製のフィルターが、何らかの原因で破損して浴槽中に排出された可能性が高いと考えられた。
 (風呂場での転倒、やけど) [2013年3月28日:公表]
熱湯をはった浴槽に入り、3度のやけどを負った。普段は家族が差し水をしてから入浴していたが、自分で湯をはって差し水をせずに入浴してしまった。
脱衣場と浴室やお湯の温度差などが脳や心臓に負担となります。
家族が入浴した後でシャワーで給湯して浴室を暖めてから入浴し、心臓などに負担をかけないようにしましょう。
冬場は脱衣場も暖房して脱衣場と浴室の温度差を減らすようにしましょう。
医療機関ネットワークには事例は入っていませんが、冬場の脱衣所、浴槽内等の温度差から心疾患による突然死を招くおそれもあります。
また、裸で体全体に湯を浴びる行為は熱湯の場合、全身やけどに至るおそれがあるため非常に危険です。
給湯やシャワーの湯温が熱くならないように管理しましょう。

まとめ

訪問販売でなく自分で店舗やショールームに訪問した際でもリフォームに関するトラブルになることがあります。

また業者が知人だと「勧める内容を断りにくい」「トラブルがあっても言いにくい」と悩んでしまうケースも多く発生しています。

トラブルを未然に防ぐために消費者ができること

①相見積もりと工事内容の確認し、記録に残す

②契約書、工事着工日、工事日数など詳細を書面で受け取る

③追加工事は必要性をよく検討する

④訪問販売などの勧誘は「今しか安くできない」と言われてもその場で契約しない

⑤心配ならリフォーム見積りチェックサービスを活用する

⑥業者が「知人」の場合、トラブルや不明な点などをはっきり言えないなら依頼しない

訪問販売が良い例ですが、時間や心の余裕がない場合には冷静な判断ができないことがあります。

浴室が壊れてからだと、「早く直さなくてはいけない」とリフォームを急いでしまいます。

浴室や入浴設備の寿命を考えて、早め早めに行動することで十分に検討時間を確保でき、必要な工事を見極めることができます。

また複数業者より一括見積りをとることで、適正な価格を知ることができ、結果リフォーム費用を抑えることにもつながります。

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